槇原敬之
「243」祈りの歌が聞こえてくる
歌は誰の唇にも止まる鳥がどんな枝にもとまるように今日も君の唇に歌はとまり君の声を借りて歌う下手だから恥ずかしくて聴かせたくないというけど何かに夢中の君が知らずに歌う歌が大好きなんだだから今だってその唇にとまった歌が逃げていかぬよう気付かないふりで耳をすまして聴いているんだ歌は誰の唇にも止まる鳥がどんな枝にもとまるように...Circle of Rainbow
流れ落ちるビクトリアの滝舞い上がる水煙に太陽が描く巨大な丸い虹がテレビに映るいつかこの目で見たいと旅に想いをはせかけて横にいる犬に気づきしばらくはお預けだったと思い出す心なしか申し訳なさそうな顔をしている様に見える気にするなよ 冬の朝も明けるそろそろ 散歩に出かけよう歩道に差し込む朝陽が眩しくてクシャミをした犬の鼻先に...Dance with me.
こんな曲じゃ 昔はうまく踊れなかったのにねエスカレーターに乗るように初めの一歩も自然に踏み出せるもともと苦手だからきっと僕の踊りは変だよでももう気になんてしない悪くないと君が笑ってくれるから足を踏まないようになるのはもっと年をとってからでもいい今日の音楽に合わせて僕らの今日をちゃんと踊ろうどんな曲が聞こえてくるだろう心...GREEN DAYS
ほどけた靴ひもを直そうと君がしゃがんだら目の前に緑色の道が続いてたそれぞれがちゃんと一人で悩んだと分かったダイニングを出た僕らに湿った夏の夜風よかった この世界はサイテーだと誤解したままで今日一日が終わらずにすんだよ君といたからだわからない事だらけでもホントの事だけ探していこうそんな気持ちを誰もがきっと青春と呼ぶのだろ...遠く遠く
遠く遠く離れていても僕のことがわかるように力いっぱい 輝ける日をこの街で迎えたい外苑の桜は咲き乱れこの頃になるといつでも新幹線のホームに舞った見えない花吹雪思い出すまるで七五三の時のよにぎこちないスーツ姿も今ではわりと似合うんだネクタイも上手く選べる同窓会の案内状欠席に丸をつけた「元気かどうかしんぱいです。」と手紙をく...ほんの少しだけ
あの時泣きやんでくれない君になんて言ったか僕は覚えている下駄のそばには割れたヨーヨーでも君が突然泣き出したのは別の理由だった人混みの中手をつないだはぐれないように 君たぐり寄せた不安そうに 僕の顔見上げては思わず可笑しくてふきだしたあの縁日の帰り道 日が暮れる街に伸びた二つの影達はしゃぐ僕たちに釣られて踊ってるようでな...明けない夜が来ることはない
窓に映るのは一つ 頬杖を付きながら明けない夜を信じてしまいそうな僕だけ今このスタンドを消せば世界は僕の心と同じ上か下かも解らない暗闇に飲まれそうだあまりにも違う高さの襟もとに目がいった僕はボタンを掛け違えたままシャツを着ている例え人を責めても自分の事は一度も省みず生きてきた僕の本当の姿だろう掛け違えたボタンを自分で正せ...