• 槇原敬之

    「243」
  • SELF PORTRAIT

    SELF PORTRAIT

    山のような洗濯物を腕を組みながら見ていた恋人がほしいとここで思っちゃいけないレンタルビデオは二日延滞持ち帰ってきた仕事もスピルバーグみたいに最後は奇跡をおこしたいTVで見たミッドウエイのアルバドロスみたいに誰にも教わらず僕は飛べないから忙しいという言葉が口ぐせになってる僕を許してくれるみんなのためにもがんばらなくちゃ引...
  • No.1

    No.1

    お互いのことをもうさぐるのはやめようもうわかっている君は僕が好きで僕は君が好き幸せにするといつでも思ってはいるけどどんな風にすればいいかこの僕にもわからないそんなもの二人で歩いてみよう一人ぼっちだった自分をお互いに忘れずにいればきっと平気今までで一番素敵な恋をしようよもうこんな僕でいいかなんて思わない世界で一番素敵な恋...
  • CLASS OF 89

    CLASS OF 89

    どうして君は 僕のことを追い越して行ったの?四年も二人 通った場所が嘘になって行く久しぶりに届いた 君からの手紙はびんせんも文字も 何だか大人びていて僕よりも少しだけ 年上の人と来年には結婚すると 書いてあったちらかった部屋で ジャンクフード片手に手紙を読んでる そんな僕は十八の頃に 抱えこんだ夢と君を想って 変わらず...
  • 雷が鳴る前に

    雷が鳴る前に

    突然雨が降り出して僕のリュックと肩がにじんで何だか急に君に会いたくなった駅前のTAXI乗り場は明日の休み知ってる人達笑顔の比率が高い僕は明日も早いとにかく公衆電話まで行こう確かコンビニが近くにあった憶えたての君の番号もうソラで言えるかな!?次の雷が鳴るまでに数をかぞえたあの頃はまだ君を好きになるなんて思わなかった雷鳴が...
  • 君は僕の宝物

    君は僕の宝物

    君が僕を好きだとわかったその日の帰り道の公園で人に聞こえたってかまわない気持ちで大笑いしたんだ電車が終わったわけじゃないけど土曜の夜から日曜の朝までドーナツ屋でずっとしゃべってでもとても楽しかったね神様 ねぇ もし僕が彼女といることあたりまえに思ったら力いっぱい つねって下さい幸せの意味を忘れぬように今の僕は抱えきれな...
  • くもりガラスの夏

    くもりガラスの夏

    思い出 焼き付けた日光写真のように僕は真っ黒になった今年の夏いつしかベッドにぼろぼろはがれ出して自分のためだけにシーツを洗うよ君がどうしていなくなったのか答えを探すように洗濯機が回るのを眺めていた自分勝手なくせして笑顔で僕を負かしたヘソを曲げてしまったらどこかに行っちゃいそうだったあの海 汗でずれ落ちたメガネ 指でなお...
  • 三人

    三人

    びっくりする程 ちっぽけなカバン1つで 5月の雨の日僕は東京の街におりた心細くは なかったよ少し年上のルームメイトとその彼女と 僕で暮らしていたからまだ彼女がいない頃はまよなかに大きなヴォリュームでDoobieのライブをよくきいたねそして彼女がやってきてまるで2人両親のように夜遅い 僕を待っていたっけ彼女はデザイナーを...
  • てっぺんまでもうすぐ

    てっぺんまでもうすぐ

    日曜日の遊園地は上手に夕暮れをつれてくるさんざん 僕らをはしゃがせて帰る時間を 忘れさせる最後に乗った観覧車はゆっくり 僕らを 空へ運ぶ静けさに困って目をやればゴンドラは 恋人同志ばかりしっかりしろよ今朝からずっと心にきめてたのに冗談ぽく手をつなぐのがせいいっぱいなんて…“少し怖いね”“でもキレイだね”今の僕には何の意...
  • 遠く遠く

    遠く遠く

    遠く遠く離れていても僕のことがわかるように力いっぱい 輝ける日をこの街で迎えたい外苑の桜は咲き乱れこの頃になるといつでも新幹線のホームに舞った見えない花吹雪思い出すまるで七五三の時のようにぎこちないスーツ姿も今ではわりと似合うんだネクタイも上手く選べる同窓会の案内状欠席に丸をつけた「元気かどうかしんぱいです。」と手紙を...
  • 涙のクリスマス

    涙のクリスマス

    信号待ちの向こう側白いマフラー君の横顔となりに立つ グレーのジャケットほころんでいる 2人の笑顔三歩うしろの人ごみに気づかれぬようそっとかくれた男らしく身をひけばいいけどそんなに軽い想いじゃないよ笑顔が行き交うクリスマスイブの街うらはらな心が苦笑いをさそう涙のクリスマス1人きりに夜の風は冷たすぎて肩からおちたマフラーな...
  • 夏のスピード

    夏のスピード

    夕立の後の空を逃げるように流れる雲僕等の明日もこんな風ならいい抱きしめた僕の腕を本当はほどきたいのにじっとしてるのは最後のガマンだろ?さよならの場所を選ぶ余裕さえない程ぼくら なにを 急いだの?!切り出した“さよなら”は君の小さな声はじめに“ゴメン”と言ったのは僕の声夕暮れが遅すぎて影を 踏むのに もう疲れた あの夏の...
  • AFTER GLOW

    AFTER GLOW

    どんなに遠くの街でも会えるかもしれないと君を探すこともしなくなったよ今僕が縫い走る砂利道の両側に消えそうな程に香るくちなしを 教えたいなんて僕が君のことを時々思い出すのは取り戻したいんじゃなくただ懐かしいだけそう言う僕に少しガッカリして欲しいけど「今は幸せ」と笑う君の方がいい引っ越しのアルバイト昼休みの時間に小さな子が...
  • CALLIN'

    CALLIN'

    君を抱きしめた強さ確かめさせる証拠のつぶれたタバコを内ポケットから出して“今ついたよ”と変わらないでも少し淋しい感じの君の声きくのを電話の前でまっている全ての気持ちを僕にぶつけるそんなうれしい迷惑をずっと 僕にかけて会うといつでも言えない言葉ラインにたくしてる“とても好きだよ”二人の距離を幸せにかえるベルが今日も鳴るよ...
  • 3月の雪

    3月の雪

    卒業式の20日後に仲間たちは 肩を並べて油のひいた レーンを最後にそんな1日も 終わりを告げあたりまえだけど変わらないからまたあの日々が始まる気がしたすれ違ってもわからない程変わるならあてのない約束でもしがみついていたいみんなと会った あの日からまた1年も 経たないのに不安ばかりを 抱きしめたまま次の春は 待ってくれな...
  • どんなときも。

    どんなときも。

    僕の背中は自分が思うより正直かい?誰かに聞かなきゃ不安になってしまうよ旅立つ僕の為にちかったあの夢は古ぼけた教室のすみにおきざりのままあの泥だらけのスニーカーじゃ追い越せないのは電車でも時間でもなく僕かもしれないけどどんなときも どんなときも僕が僕らしくあるために「好きなものは好き!」と言える気持ち 抱きしめてたいどん...
  • ANSWER

    ANSWER

    あの日地下鉄の改札で急に咳が出て涙にじんで止まらなくなった君と過ごしてたさっきまで嘘みたいだねもう帰る時間だよ君と僕の腕時計一緒に並べて君と僕の手のひらをそっと重ねて愛という窮屈をがむしゃらに抱きしめた二人会える日が少ないからいつも別れ際でため息ばかりついてる何も言わないで君の姿 消えてしまうまで見送ってあげるから君と...
  • NG

    NG

    ボタンが取れているだけで着れないシャツを持ったまま君がもうこの部屋にいないことを確かめていたけれど忙しい日々の隙間の中途半端な空白で細い背中を思うのが何より辛いめざめた僕の首筋に君の長い髪を感じられたあの日々を取り戻したい二人で暮した日々よりも誰かの噂を信じた僕になぜうつむいたままで言い返せなかったのとても長い時間をか...
  • 北風

    北風

    小さなストーブじゃ窓も曇らないような夜毛布を鼻まであげて君のことを考えるよだけど知らないことばかりで思い出せることは斜め40度から見たいつもの君の横顔だけさっきよりひどく窓がないてるカーテンそっと開けて僕は言葉なくす北風がこの街に雪を降らす歩道の錆びついた自転車が凍えている今君がこの雪に気付いてないなら誰より早く教えた...
  • 君を抱いたら

    君を抱いたら

    夜の背中を流れるヘッドライトの河ブラインドを渡るのは夜間飛行窓を強くうつ雨と週末の約束が流れて行くのを二人で見ていた何も言わないで君の息がこのまま雨の音と僕にそっと 溶けるまで君を抱いたら時をいつもより早く進ませても止めることはできない夢を追うのにつかれてくじけそうになった時視線をゆるめたら いつも側にいて何度も悲しい...
  • CLOSE TO YOU

    CLOSE TO YOU

    もしも 隣の車両に君がいるのに気付いてもラッシュアワーのなかじゃ声もかけられないそれなりに忙しくて二人でなかなか会えなくて電話の向こうの声でも切なくなるよ二人合わせた休日が幕を閉じる頃は君を抱きしめる腕に力が入るよ悲しくて悲しくてどうしようもないときも笑ってみせるそんな君をわかりたい誰よりも誰よりも僕じゃなきゃって思わ...