• SION

    「95」
  • このままが

    このままが

    待ちくたびれて 眠ったお前のやわらかな髪をなでる こわれないようそっと静けさに かすかな吐息ただゆれているこのままが このままがなによりも このままがなにか夢でも 見てるんだろう気持ちよさそうに ほほえんだまま静けさに かすかな吐息ただゆれているこのままが このままがなによりも このままが優しさは言葉じゃなくてその気持...
  • サイレン

    サイレン

    サイレンが鳴り響く 堤防を川を畦道をもう帰る時間だと サイレンがなり響く死んだ俺の爺さんは シベリヤで何人も殺して勲章貰って帰ってきた 勲章をぶらさげてサイレンが鳴り響く 傷つける意味を知る前に殺す事を覚えたのは サイレンが鳴り響く死んだ俺の爺さんは 時々狂った様に暴れたしわくちゃな拳を振り上げて しわくちゃな拳を震わ...
  • 新宿の片隅から

    新宿の片隅から

    新宿の片隅からののしりあう街を見てた失くした物の悲しみのそばに安っぽいメンツころがして強がりのむこうには折れた煙草がころがってた捨てるほどあるはずのかわりはどこにも見えやしねぇいつか見た夢の続きじゃやばい夜がくるはずずっと前にも確かこんなこんな別れをしたような気がする新宿の片隅からののしりあう街を見てたつまったパイプの...
  • SORRY BABY

    SORRY BABY

    SORRY BABY誰かさんみたいに俺に明日見えないからSORRY BABY約束なんてとてもできたもんじゃないだこんな俺をうらむかね車道には誰かが棄てたララバイ溢れてる誰だって好きこのんで傷つけたりはしないさ痛みと喜びを感じない胸でどうしておまえを抱けばいい軽いことばにあいそつきてもそれにかわる顔がないまぎらわしい優し...
  • ダーリン

    ダーリン

    ダーリン 濡れたフェンスを指で伝って どこまでも歩いたダーリン この街にレイプされ胸のなかまで もうボロボロ狂った時間をもどして勝手に流れを変えないでたったひとつの心をどれだけ傷つければいいダーリン これで終りじゃないならまたふたり いつか会えるねダーリン ずぶぬれになったけど私はまだ ここにいるから乾いた都会の群れた...
  • ガラクタ

    ガラクタ

    君は何一つ分かってない しょせん田舎のガラクタさお山の大将でいいじゃない ここは君の暮らす街じゃないそのガラクタはそのガラクタは 何とかやってるぜボスにもなれず子分にもなれず それで楽しくやってるぜ君の唄は独りよがり わがままなガラクタさ誰もが唄える唄を書けよ もっとセンスある綺麗なやつをそのガラクタはそのガラクタは ...
  • キャスト

    キャスト

    難しい 本当に難しい難しい やることはやったんだがだけどまだ 目をそらしちゃいけないだけどまだ 目をそらしちゃいけない見たつもりかよ 入り口で首を伸ばして見たつもりかよ 間抜けな通訳の話に見たつもりかよ 薄っぺらい深刻顔で見たつもりかよ 2、3回頷いただけじゃねえのか残念だ 今言えることは残念だ 他に言いようがない願う...
  • 雪かもな

    雪かもな

    「疲れた」って言わなくなったのは君が教えてくれたこと身体と心をもって生きてんだから疲れてない奴なんていやしない冷え込む夜に熱いコーヒーとラムを少し静かすぎる気配が 聞かせてくれる明日の朝は雪かもな「もういいや」って投げなくなったのも君が教えてくれたことカウントを数えられるまで寝ていられるのはもっと力のある奴だけさ冷え込...
  • 12月

    12月

    ふたりに疲れてはひとりに戻りまただれか恋しくてまた繰り返す屋根の上の猫がそんな俺を見てめずらしいものでも見るよな顔して笑った変わりゆく時間に心まどわされ今日一番の宝は明日屑かも知んねぇ恋人たちの手はきつく握られたまま俺たちにもう何も見せるな さけぶようにつぶやいた12月街はクリスマス気分あちこちから想い出したようにジョ...
  • 風来坊

    風来坊

    かたむいた窓にあごをのせて 通りすぎる夜に眼をこらすクラクション パトカーのサイレン 点滅するシグナル街灯のあかりただぼんやりと 誰の心ともすわけじゃないざらついた夜 ぐらついた街 点滅するシグナルあとここで俺は たかが何10年か生きてああうれしいだの つらいだのくりかえすのかい死人のような行列は イカした首飾り今日1...
  • 砂の城

    砂の城

    気にしないで行く 気になっていてもまだ見えない壁に潰されたりはしない重かった季節が懐かしいようにこの最悪だって こえるためにある波打ち際で 砂の城を作って波にさらわれて 崩れ 溶けて 消えて だからまた作る彼女はかわいくて だから好きだ彼女も抱えてる ひとり分の夜を答えを欲しがる あいつに言ってやれそうせかすなって 順...
  • ここまでおいで

    ここまでおいで

    泣いてる君のすぐ傍でふさいでる俺のすぐ傍で乾いた風が転がっているしけった人や街中をここまでおいでと 明るい諦めと開き直る力を ちらつかせてる悲しいのが好きなほど人に囲まれてないからごきげんなやつが好きテレビの上猫があくびしてるギリギリのつもりの俺の上でここまでおいでと それがどうしたんだとそんなに力むなよ あくびをして...
  • 薄紫

    薄紫

    それは たぶん 家の中にあるそれは たぶん 近くにある気づくまで もっと遠いとこだとすりへっても 歩きまわった嬉しいのはあなたに褒められることで悲しいのはあなたの裏切られることで好きだから嫌われたくなかったし好きだから許せなかったサイレンが鳴る頃薄紫の空をみてたここからでもみえるだけど あそこにしかない空をみてるそれは...
  • お前がいる

    お前がいる

    楽しいことだけ考えてみるさ少々無理したってそうしてみるさ後ろ向きの想いは後ろにしか行けないましてそんな気持ちはさらさらないお前と行きたいとこがあるんだふたりで行きたいとこがあるんだそれを思えばこんなことくらいで投げ出せないつぶれてられないお前がいる お前がいるからまだ行くぜ 石にかじりついても月を見るといつも手を合わせ...
  • 通報されるくらいに

    通報されるくらいに

    あわてんなよ 雨があがったからって いきなり晴れるわけもないさ俺はまだ やっと今 始まったばかりだろ早くはない 遅くはない 始めたら始まりさ何度でも 何度目でも 始めたら始まりさ褒められたくて 気にして欲しくて わかって欲しいことが見返したくて カッコつけたいことが 全部力をくれる同じ風景に 蹴躓いて また無様にコケた...