SION
「95」ありがてぇ
ビルに沈んでく おてんとう様も今じゃ変わりなく 妙にいいさいつか夢見た暮らしは まだ光ってて力をくれる ありがてぇまあ いろいろあるさ いろいろあるさ生きてっからね明日早いから もう一杯だけ飲んだら寝るからよ おっ ありがてぇいつもこうして お前明るいからいつもついつい 甘えちまうほんとは逆じゃなきゃ いけないよなつく...月が一番近づいた夜
月が一番近づいた夜何もしゃべれなかった男の子が「きれいだね」ってママを驚かせずっと車椅子の女がなんでもなかった様に立ち上がって下着を替えた月が一番近づいた夜何も聞いたことがなかった女の子が「静かだね」ってパパを驚かせ箸さえ持てなかった男がずっとそうしてきたみたいに両手で彼女を抱き締めた月が一番近づいた夜出稼ぎに行ったき...カーテン
寂しさは静かなやすらぎだと 言われればたしかに そんな気もするができれば カンベンしてくれやけに薄いカーテン なのに重いカーテンまばたきをするたびに その色形さえ変えてカメレオンにゃなれないしましてライオンじゃないから寂しさは静かなやすらぎだと 言われればたしかに そんな気もするができれば カンベンしてくれまとわりつく...記憶の島
子供が声をあげて はしゃぐ水しぶきの様に キラキラと近づかなきゃ よかった子供は百才で そして泣いていたここからでも 空は見えるし馴れれば 泳げないこともないアザラシは 一人言の様につぶやきゴリラは ただ手をさし出ている砂の城で暮す紙のナイフを持って消えてくれ 記憶の島バス停にバスは 止まらなかった女がイヤな顔をして ...俺の声
色褪せても笑うヒーロー達の写真は栄光と挫折を一度に晒してしまういらつかせる夜が 今日も眠らせちゃくれない闇の中を俺は 睨みつけるしかない俺は王様だと思ってた俺の声で誰でも踊ると思ってただがしかし 俺の叫ぶ声はピンボールさ はねてるだけいつの間にか秋が またそこに立ってた走り続けてきたが また一周しただけそうさいつの間に...