• こおり健太

    「44」
  • しのぶ橋

    しのぶ橋

    逢いたくて 逢えなくて女の吐息も 風になる待って実のなる 恋ならばにくい 恋しい あなたの嘘も許したくなる 信じたくなる外はしぐれの しのぶ橋愛しても 尽くしても秋風落葉の 運命(さだめ)やらひとの噂の 石つぶて膝をくずせば 気弱になって酔ってすぐ泣く 負けてすぐ泣く待つ身悲しい しのぶ橋悔やまない 嘆くまい男と女の ...
  • 他人船

    他人船

    別れてくれと 云う前に死ねよと云って ほしかったああ この黒髪の 先までがあなたを愛しているものを引離す 引離す 他人船背中を向けた 桟橋でさよなら云えず 濡らす頬ああ この指切りの 指までがあなたを愛しているものを引離す 引離す 他人船いつか逢えると それだけをのぞみにかけて 生きてゆくああ この目の下の ホクロさえ...
  • 恋瀬川

    恋瀬川

    川の瀬音も 雪解け水に嵩(かさ)を増すのね ねぇあなた心しずかに 生きれない女ごころに 似てますねどうぞその手で 受け止めて堰(せき)を切る切る 恋瀬川しのび逢う恋 あの時まではよその誰かの 物語心しずかに 生きれない一目逢うなり 火と燃えて堕ちてあなたと 越えた夜想い出します 恋瀬川つづく山並 砂丘のように風が雪をも...
  • 約束の花

    約束の花

    母を追いかけ すがりつき行かないでよと 困らせた優しく抱き寄せ 合わす頬僕の手をひき 足早に「枯れてしまうと 可哀想」あなたはいつも そう言った見知らぬ親子が 店先で笑顔で抱える 赤い花名前も知らない 名前も知らない 赤い花小さな母の 手を見れば幸せ遠い 傷のあとこの町が好きと 微笑んだ故郷離れ 夢を見て母に綴った う...
  • 歩き続けて…

    歩き続けて…

    坂道があり 曲がる道あり背中を押され 歩き続ける見落としてきた 愛も幾つか忘れかけてた 優しささえもあっただろう… ただ… あっただろう振り返りながら 人は歩いて…あっただろう… ただ… あっただろう彷徨う明日に 人は歩いて…裏切りがあり 失うものも何かを信じ 歩き続ける挫折と望み パズルのように行く道変わろう それも...
  • さいはて港町

    さいはて港町

    ふるさとはさいはての 名もない港雪が飛ぶ波が散る カモメが凍るいいことは何もない 町を捨て逃げるよに飛び乗った 終列車帰りたい 帰れない女の涙が 雨になる恋をして泣かされて 別れの辛さ夢をみてこわされて 生きてく苦さチカチカとネオンにも 笑われて人波に流される 他人街元気よと 嘘ばかり涙で綴って 出す便り疲れ果て傷つい...
  • 隠れ月

    隠れ月

    雲に隠れて 見えない月はまるで倖せのよう はかなくてねぇ ねぇ あなた…どこへ どこへ 行ったのよこんな女の 心の闇を照らしてくれた 男(ひと)でした胸に隠した 哀しい過去も雲が晴れてゆくよう 消えますかねぇ ねぇ あなた…はやく はやく 戻ってよ欠けてゆくのが さだめの恋を満ちると信じ 生きたいの雲に隠れて 見えない...
  • 泣きみなと

    泣きみなと

    やめて やめてよ 抱かないで捨ててゆくなら 傷つけて風も泣いてる 泣きみなとカモメお前も 泣きなさい女ひとりで 生きられないと夜の…海を見るさむい さむいわ 桟橋でこらえきれずに うずくまる海も泣いてる 泣きみなとわすれたいのと 泣きじゃくる女未練の 素肌が焦れて愛を…恋しがるやめて やめてよ 優しさは嘘になるから 欲...
  • 風花

    風花

    咲いてはかない 風花は消えるさだめの 雪の花まるでふたりの 恋のよう抱いてもすぐに 消えてゆくどうかどうかどうか お前だけだと嘘でもいいの 言ってください…帰るねぐらは いらないと渡り続ける 冬の鳥そんなおとこの 生き方に温もりなんて 邪魔なだけきっときっときっと 逢いにくるよと嘘でもいいの 夢をください…ふたり寄り添...
  • 線香花火

    線香花火

    あなたと買った花火 あの夏の日はもう遠く狭いベランダでひとり 想い出に火をつける心でちりり 線香花火夕陽のように 燃えました心でちりり さみしい花火燃え尽きないで 落ちました忘れても忘れても 忘れられないどうして愛は消えて まだ哀しみは燃え残るずっとふたりだと言った 約束に火をつけるさよならちりり 線香花火私のように ...
  • 雨の舟宿

    雨の舟宿

    雨の舟宿 忍び逢い胸に涙の 露しずくつらい噂に 流され泣いて泣いて明日(あした)は 他人の二人添えぬ運命(さだめ)の 恋の川川の岸辺に 寄り添って暮らすことなど 夢でした秘めた恋なら なおさら燃えて燃えて哀しい 女の心抱いて下さい もう一度白い障子に また揺れて泣いているよな 川柳(かわやなぎ)二度と逢わない 心に決め...
  • 霧雨の街

    霧雨の街

    他の誰かと 寄り添い歩く髪の長さも 短く変えた うしろ影今さら君に 会えるはずない迎えに来るのが 遅すぎたよね哀しみが 降りしきる 霧雨の街つらい気持ちも わかってやれず甘え過ぎてた 君の一途な 優しさに幸せひとつ やれないままで男の弱さを 許して欲しい淋しさに 立ち尽くす 霧雨の街二人の月日 戻るはずない迎えに来るの...
  • 風の道

    風の道

    今は冷たい 風さえもいつかは背を押す 風になる何度も夢に つまずいて何度も心が 傷ついてそれでも今日まで 生きてきたこれからも これからも 迷わずに歩くどんな時も信じたい ひとすじ風の道いつも変わらぬ あの人の笑顔の優しさ あたたかさひとりじゃ何も できなくてひとりじゃ明日(あした)が 遠すぎて心を寄せ合い 生きてきた...
  • 山吹の花

    山吹の花

    もしも世間に 知れたなら別れる覚悟の 私ですつらい噂が たたぬよに息を秘(ひそ)めて 待ちわびる咲いて実らぬ 山吹の花に重ねる 恋ひとつふたり暮らせる 約束は望みはしません せがまない無理を言ったら 嫌われる今はいいのよ このままで色も優しい 山吹の花に聞かせる ひとり言(ごと)風の音にも あなたかと浮き立つ心が 哀し...
  • 面影哀愁

    面影哀愁

    ガラスの窓に 降る雨が今夜も想い出 連れて来る赤い唇 震わせて涙で送って くれた女(ひと)……胸に面影 また浮かぶあれから何年 過ぎたのかひとりとまり木 酒に酔いゆらゆらあの日に 戻る夜幸せやれる あてもなく一緒に来いとは 言えなくて馬鹿な男の 身勝手を悔やんでみたって 遅すぎる……にじむため息 この俺を今でもおぼえて...
  • 女の口紅

    女の口紅

    愛しても 愛しても 届かないいつか口紅(べに)さえ 色褪せて 夜が更けるあなた二人は 終わりでしょうかあぁ 今夜も待たされてそれでも信じたい ばかですねこの胸を この指を あたためて欲しい淋しくて 淋しくて 涙ぐむ逢えば優しく 抱きしめて くれる人あなた私と 遊びでしょうかあぁ 何度も泣かされてそれでも逢いたくて 直す...
  • 笑顔の宝物

    笑顔の宝物

    ありがとう これからも(これからも)ありがとう いつまでも(いつまでも)夢を信じて どこまでも人は誰もが 淋しがりひとりきりなら つらすぎるそんな時には いつだって優しい笑顔を くれる人ひとつふたつと 笑顔が増えて出逢いが 何より宝物ありがとう これからも(これからも)ありがとう いつまでも(いつまでも)夢を信じて ど...
  • 北行路

    北行路

    許して欲しい ばかでした寄せ来る波が 胸を打つ誰より大事な 人なのに気づいてみても 遅すぎるあぁ あなたにもう一度 逢いたくてたずねて来ました 最果て北の町あなたの噂 隠すよに港に霧が また揺れるあの日の別れの うしろ影こぼれる涙 抱きしめるあぁ あなたにもう一度 逢いたくて心が震える たそがれ北の町ここから先は オホ...
  • 片瀬川

    片瀬川

    あなたを今日で あきらめる決めてはみたけど 逢いたくて泣いて焦がれる 胸の内好きと告げたら 罪ですか叶わぬ恋とわかっていても そばにいたい瀬音哀しい 片瀬川愚かなこの恋 叱るよに川風心に 吹き抜けるあなた好みの 長い髪夢を見るのは 罪ですか二人の運命(さだめ)なぜすれ違う ひとり泣いて飛沫(しぶき)冷たい 片瀬川私の気...
  • 桜の下で

    桜の下で

    舞い散る花びら 見上げれば月日の速さ せつなくて私が生まれた お祝いに桜を植えて 桜を植えて くれた人ふるさと 山脈(やまなみ) 春霞(はるがすみ)あなたの眼差し あなたの笑顔ずっとずっと ずっと忘れない小さな花びら 手で受けて御無沙汰続きを 詫びるだけ「思った通りに 生きてみろ」桜の下で 桜の下で 言った人ふるさと ...