• THEラブ人間

    「41」
  • 病院

    病院

    ベッドの枕元に飾られた花たち点滴を打たれないからすぐに枯れてしまう『出来ること』は増えていく『今まで出来ていたこと』は減っていく歳をとるってことを少しだけポケットに入れて終わりの予感に震えながら生きていくんだねいくら心がボロボロになって何かを憎んでしまっても生きてる死んでいないなら また海まで行こうね枕元のネームプレー...
  • bedside baby blue

    bedside baby blue

    手にしたものは水膨れてジーパンのポケットで濡れているから落としたものや失くしたものはいつか全部拾って大人になるそうやって生きていこうと思うんだけどやっぱり今日も何かを捨ててしまういつもギリギリのベッドサイドで背中を向けて眠ってたベイビーブルー背中を向けてたのは、ぼくだった台本や翻訳機能もないからレシピやマニュアルもない...
  • ラブパレードはつづく

    ラブパレードはつづく

    夜になれば記憶を集め愛について考える季節は消えて 裸足になって腕が折れるまできみを抱きしめる息を飲むくらい震え上がる愛について考える時代は終わり 凍りつく顔が変わるまできみと笑い合うぼく 今夜 家には帰らないぼく 今夜 家には帰りたくないつづく つづく つづくパーティーは終わらない安いワインでシーツが真っ赤に染まってる...
  • アンカーソング

    アンカーソング

    「この席にどうぞお座りなさい。」とあなたが微笑みかけてくれたから最後の歌になるかもしれない、ねきみ以外の歌はもう作らないかも、ね運命はいつもあらぬ方向にゴロゴロと転がり続けていくのだから大切なものが消え失せてしまうんだ予測できない恋に胸は黙っちゃいられない一周 500mのトラック / 校庭砂埃をあげて夢中で走ってる最後...
  • 黒いドロドロ

    黒いドロドロ

    俺の中にある黒いドロドロを受け止めてくれる奴はいるか?歴史にもならねえ 教科書にも載らねえ救いにもならねえ力を持ったこのドロドロを受け止めてくれよ半端な時代だ いっちょやっちまうか?あのコDJにヤられちまったピアスをあけたり渋谷でデートか?赤い髪の毛は大嫌いだ傷つけた分だけ強くなれりゃいいのに傷ついた分だけ強くなれりゃ...
  • 愛ってかなしいね

    愛ってかなしいね

    NASAの記者会見まで3時間もあるから突然の雨に急かされてきみの家まで行くんですいったいどんな新しい気持ちに出逢えるかなときめきと不安をビールに混ぜて飲みました淹れたての真っ黒なコーヒーのような恋自慢の灰皿の中でゴウゴウと燃える恋 来い 来いきみの目に吸い込まれていく見たこともない世界に連れていってくれるほんとうは昔か...
  • 悪党になれたなら

    悪党になれたなら

    女を酔わせて朝まで安ホテル黒いカラスがゴミ箱を漁っているなあ、いっそ俺のことも食い散らかしてくれないか?新宿三丁目 深夜一時のブルースぎりぎり屋根のついているボロくさい家に片言の日本語で生きるアラブ人は俺より美しい日本語で気持ちを語るのだろう富久町南 深夜二時のブルースホテルの冷蔵庫バヤリースのオレンジジュースきみは「...
  • おとなになんかならなくていいのに

    おとなになんかならなくていいのに

    11月の終わり本当にいつぶりだろうか母方のばあちゃんじいちゃん家に行った子供の頃よく歩いた道をあの頃よりも何倍も速く歩いた錆びたカーブミラーに映る僕は大人だった最近なにを考えて毎日生きているだろうか?明日のこと?来週のシフト?来月のライヴ?来年の予定?二股してる女とのデート?携帯電話の滞納金?水道はまだ止まらずに済んで...
  • 砂男

    砂男

    昨日はスピーカーから落っこちてたんこぶをつくったよ口の中もザックリ切れちゃって腰とくるぶしからも血が出てたそのまま朝まで呑んじゃって新宿駅でゲロをぶちまけたら真っ赤な血が混じってて「俺はちゃんと生きてるんだなあ。」って思ったこんなことにもならなきゃ気づかない馬鹿たれなんです。ぼくは。いつもごめんね。いつもありがとね。京...
  • 八月生まれのきみの結婚式

    八月生まれのきみの結婚式

    サイフォン・コーヒー萌える思いと共に最後の一滴まで飲み干していく打ち捨てられた木造のボートと葉がすべて落ちた名も知らぬ木とお気に入りのブサイクな人形あなたの家はいまはもう空き家だ再会の日に感じた距離は「ふたり」がちゃんと「他人」になれた証拠だ今、きみと飲む濃いめのコーヒーこれくらいの苦さならもう慣れてしまったよ八月生ま...
  • りんごに火をつけて(Light My Apple)

    りんごに火をつけて(Light My Apple)

    きみの言葉をかき集めて全部ぼくは歌にするから自転車に乗って帰ろうよ今夜は風も吹いてないしマフラーの色は月と同じきらきらひかる三毛猫色赤い頬をきゅっと隠してやさしい声で言ってくれる「きみが好きだよ。」「きみが好きだよ。」真赤なハートが音を立てて壊れていくよCome on baby light my apple.伸ばしっぱ...
  • わかってくれない

    わかってくれない

    グダグダ文句垂れるなよ小便小僧指図されたならぜんぶ逆をやってやればいいそれでもやり切れないならバンドを組んで壊してやれはやくしないと丸めて捨てられるぞいつもおとなはわかってくれないね「おとこのこってみんなふけつ」そりゃそうだよなきみの心体星座住所ぜんぶ欲しいんだうつくしいものがだいすきロマンチックを掴まえたい「おとこの...
  • わたしは小鳥

    わたしは小鳥

    ひらひらとスカート揺れて春が近くに来ておりますそよそよとTシャツ流れきみはすっぽんぽんだ!かわいいもう恥ずかしくないのならもう照れたりしないのならずっと信じてるよきみはぼくの宗教なのですコンドームがちぎれて飛んで森の入り口は雨模様洞窟の中の旅にはお友達は誘ってやらないきっと神様はひとりだからきっと女神はひとりだから全部...
  • 大人と子供(初夏のテーマ)

    大人と子供(初夏のテーマ)

    うーむタクシーで渋谷から世田谷へ帰るあーあ君はまどろんで未来もまどろんで雨が吸い込んだ汗ばんだ夏を僕らは誰と過ごすのでしょううーむ財布の中にはいつだってタクシー代を持つようになった大人になったからそんなの当たり前になったこのまま家を通り過ぎて君を海まで連れていくよ波になってしまえ言わないでまだ言わないで孤独は好きじゃな...
  • レイプ・ミー

    レイプ・ミー

    お風呂に入るきみのことずうっとずうっと見ていたよ過ぎていった日々には「さようなら」と「何万本の薔薇」を捧げて洋服を脱いでもきみだよ化粧をしていてもきみだよだからぼくが歌を歌わなくなってもきみだけは許してくれよレイプ・ミーユー・レイプ・ミーここにある積み上げたものやっと形に出来たすべてを白紙にしよう黒く塗りつぶしましょう...
  • これはもう青春じゃないか

    これはもう青春じゃないか

    午前七時まできみとぼくの部屋で話したねぼくのi Pod の中の名曲をたくさん聴いてキャンプの残りにもらったお酒をちゃんぽんして呑んで泡盛のブルーの光水道水で割った水割りの香りに吸い込まれていくこれはもう青春じゃないか?もはやもうこれは青春じゃないか?きみもそうかな?悪魔が耳元でささやく衣ズレの音に興奮吐息とシャンプー吸...
  • 西武鉄道999

    西武鉄道999

    故郷への列車に夕暮れと飛び乗りふがいない男は帰る財布には20円改札を飛び越え風来坊は歩くなんてゆーかシラけちまうぜ財布には20円ただいま!母さん元気かい?父ちゃんじいちゃん ばあちゃん体は大丈夫かい?インターフォンも押さず我がもの顔でドアを開ける俺は23才それなりに生きてます嘘をたくさんついた好きじゃない女も抱いたふた...
  • 抱きしめて

    抱きしめて

    家を出たのはもう夕方ごろ八百屋もパチンコ屋もオレンジ色マヌケそうな警察官 大きなあくびぼくは三軒茶屋に行くために切符を買ったぼくは行く先を知っているんだぼくは目的地を知っているんだ西武線はがらんとして暖房はきつく今にも眠りそうなんだまだ何も成し遂げてないよ ぼくはギターをぎゅっと抱きしめてコートをぎゅっと抱きしめてかば...
  • どうせ、慰時代

    どうせ、慰時代

    かたちのない花を育てるふたり同棲時代は音もなくはじまるのそれは読みやすい小説みたいにあっけなく終わっていくそれは特急列車の窓の外の風景きのうきみの女と寝たよきのうきみの女を抱いたよきのうきみの女にイヤらしいことさせたよともだちの女と寝たよこのままじゃいけないと思っているよきみはぼくの友達さきみはぼくのことを信じていてく...
  • 若者たちの夕暮れ

    若者たちの夕暮れ

    若さはいつも残酷に時間をすり減らしていくピアノの音で歌ってたこどもの頃を思い出せからっぽの旧校舎潰していく黒い鉄球なにも俺たちにはできないくちびるから血が窓の外を見ていた理由はMDウォークマンが壊れたからさ制服の女の子たちよ大人にならないできみたちのその笑顔がつまらない世界に色をつけていくよ...ほんとだよ追いついたと...