金田康平
「41」bedside baby blue
手にしたものは水膨れてジーパンのポケットで濡れているから落としたものや失くしたものはいつか全部拾って大人になるそうやって生きていこうと思うんだけどやっぱり今日も何かを捨ててしまういつもギリギリのベッドサイドで背中を向けて眠ってたベイビーブルー背中を向けてたのは、ぼくだった台本や翻訳機能もないからレシピやマニュアルもない...ラブパレードはつづく
夜になれば記憶を集め愛について考える季節は消えて 裸足になって腕が折れるまできみを抱きしめる息を飲むくらい震え上がる愛について考える時代は終わり 凍りつく顔が変わるまできみと笑い合うぼく 今夜 家には帰らないぼく 今夜 家には帰りたくないつづく つづく つづくパーティーは終わらない安いワインでシーツが真っ赤に染まってる...アンカーソング
「この席にどうぞお座りなさい。」とあなたが微笑みかけてくれたから最後の歌になるかもしれない、ねきみ以外の歌はもう作らないかも、ね運命はいつもあらぬ方向にゴロゴロと転がり続けていくのだから大切なものが消え失せてしまうんだ予測できない恋に胸は黙っちゃいられない一周 500mのトラック / 校庭砂埃をあげて夢中で走ってる最後...おとなになんかならなくていいのに
11月の終わり本当にいつぶりだろうか母方のばあちゃんじいちゃん家に行った子供の頃よく歩いた道をあの頃よりも何倍も速く歩いた錆びたカーブミラーに映る僕は大人だった最近なにを考えて毎日生きているだろうか?明日のこと?来週のシフト?来月のライヴ?来年の予定?二股してる女とのデート?携帯電話の滞納金?水道はまだ止まらずに済んで...八月生まれのきみの結婚式
サイフォン・コーヒー萌える思いと共に最後の一滴まで飲み干していく打ち捨てられた木造のボートと葉がすべて落ちた名も知らぬ木とお気に入りのブサイクな人形あなたの家はいまはもう空き家だ再会の日に感じた距離は「ふたり」がちゃんと「他人」になれた証拠だ今、きみと飲む濃いめのコーヒーこれくらいの苦さならもう慣れてしまったよ八月生ま...りんごに火をつけて(Light My Apple)
きみの言葉をかき集めて全部ぼくは歌にするから自転車に乗って帰ろうよ今夜は風も吹いてないしマフラーの色は月と同じきらきらひかる三毛猫色赤い頬をきゅっと隠してやさしい声で言ってくれる「きみが好きだよ。」「きみが好きだよ。」真赤なハートが音を立てて壊れていくよCome on baby light my apple.伸ばしっぱ...大人と子供(初夏のテーマ)
うーむタクシーで渋谷から世田谷へ帰るあーあ君はまどろんで未来もまどろんで雨が吸い込んだ汗ばんだ夏を僕らは誰と過ごすのでしょううーむ財布の中にはいつだってタクシー代を持つようになった大人になったからそんなの当たり前になったこのまま家を通り過ぎて君を海まで連れていくよ波になってしまえ言わないでまだ言わないで孤独は好きじゃな...これはもう青春じゃないか
午前七時まできみとぼくの部屋で話したねぼくのi Pod の中の名曲をたくさん聴いてキャンプの残りにもらったお酒をちゃんぽんして呑んで泡盛のブルーの光水道水で割った水割りの香りに吸い込まれていくこれはもう青春じゃないか?もはやもうこれは青春じゃないか?きみもそうかな?悪魔が耳元でささやく衣ズレの音に興奮吐息とシャンプー吸...